第16話 Meet to Succubus~黒き大地、Kalimdorへ~
ヴォイド君「お金が、お金があああ(p_;」
セシリー「やっぱSpellって高すぎだよね・・・・・・」
Lv20になり新しい魔法を習いにWarlock Guildにやって来た、セシとヴォイド君。Lv2毎に覚えるSpell代の高さに、今回も打ちひしがれていた。
セシリー「さあ、涙を拭いて。帰るよ、ヴォイド君」
ヴォイド君「泣いてなんかいないです。ただちょっと夕陽が目に沁みて、ごしごし。あ、そうだマスター。せっかくだからダークマスターに会っていかれたらどうですか?」
セシリー「あ、そうだね。久々にあの眩しい頭を見たいしね」
Stromwind CityのWarlock Guildの長Gakin the Darkbinder。暗黒の魔法の使い手と知られるWarlockの存在を、先の大戦の活躍により国王に認めさせた偉大なWarlockである。
セシリー「お久しぶりです、ダークマスター。相変わらずいい光具合で」
ダークマスター「ふぉっふぉふぉ。相変わらず腹黒そうでなによりじゃな、セシリーよ。では、さっそく試練を受けてもらおうかのう」
セシリー「え、試練?」
ダークマスター「何じゃお主、知っててわしを訪ねてきたんじゃないのか?」
セシリー「ヴォイド君、知ってる?」
ヴォイド君「マスター、忘れちゃったんですか? WarlockはLv10毎に新しいPetを召喚できるんですよ。でも、その召喚の仕方、そして制御の仕方を知る為には、試練を受けねばならないんです。ぼくの時もそうだったでしょう?」
セシリー「あれ、でもキューズ君はLv4で覚えたじゃん」
ヴォイド君「あれはマスターがうっかりさんだっただけです。本当はLv1から覚えられますから」
セシリー「ソウダッタネ・・・・・・」
ダークマスター「うむ、その通りだ。Lv1でImp、Lv10でVoidwalker。そして今回は魅惑の小悪魔、Succubusじゃ!」
セシリー「え、憧れのおねーさま、サキュパスさまが早くも!?」
ダークマスター「うむ。魂を喰う者、心の破壊者、精神の支配者。数々の異名を持つあのSuccubusじゃ。どうだ召喚方法をしりたくなってきたかね、セシリーよ」
セシリー「はい、ぜひ!」
ダークマスター「魔界に住む彼女を呼び出すには、普通に呪文を唱えただけではだめじゃ。彼女を呼び出すには強烈な『愛』が必要じゃ!」
セシリー「はい・・・・・・?」
ダークマスター「こら、そんな目でわしを見るな! わしだって恥ずかしいんじゃ、こんな台詞大声で言うのは。彼女は生物の持つ精神にとても関心があるようでのう。特に『愛』には強い興味を示すんじゃよ」
セシリー「分かりました。セシのねことRobeを愛する心で、呼び出せばいいんですね!?」
ダークマスター「いや、それでは無理じゃろ。絶対・・・・・・。人の愛は目には見えにくいでのう。そこでワシらWarlockは考えたんじゃ。愛が籠められたシンボルを使って彼女を呼び出してはどうかと」
セシリー「血に染まったRobeとかですね・・・・・・?」
ダークマスター「うむ、ちょっと違うがまあそんな物じゃな。だが、そんな物がほいほいと落ちているわけはない。そこでBarrensにあるCamp Taurajo。その近くにTakar the Seerという男が居るから、彼に愛のシンボルの在り処を尋ねるといいじゃろう」
セシリー「へ~、Barrensってどこにあるんですか?」
ダークマスター「Kalimdor大陸じゃ」
セシリー「え?」
なんとLv20でHorde達の大陸、Kalimdor大陸へ行けと仰るダークマスターGakinさん・・・・・・。うっかりLv30のQuest受けてしまったのかと、Quest Logを見直してみますが、確かにLv20付近のQuestのようです。えっと・・・・・・無理だから! たどり着く前に絶対死んじゃうってこれ!
ヴォイド君「で、Kalimdor大陸ってどこから行くんですかね。マスター」
セシリー「う~ん。多分、前Messengerクエストで行ったDuskwoodの南から行くんだよ。きっと」
ヴォイド君「その根拠はどこから?」
セシリー「なんか暗いじゃん、あのZone」
ヴォイド君「・・・・・・」
Allianceの町『Darkshire』以外は未踏の地Duskwood。このZoneってLv20でうろうろしていいんだろうか・・・・・・。
セシリー「しかし、暗いよねここ」
ヴォイド君「そうですね~。とにかく迷わないように道なりに進みましょう」
セシリー「あれ、前から何か来たよ。ヴォイド君」
ヴォイド君「あ、あれは。マスター逃げましょう・・・・・・って何SS撮ろうとしてるんですか! 早く逃げないと」
セシリー「待って1枚だけでも、カシャ」
Stitches「ん~、なんだおめーたちは。ここはおらたちオーガの縄張りだぞ、ドカバキ」
ヴォイド君「ああ、もうだめだ。マスター」
セシリー「カシャ、カシャ」
ヴォイド君「いつまでSS撮ってるんですか、あなたは・・・・・・がくっ」
セシリー「我が生涯に悔いなし・・・・・・がくっ」
どうやら35+のEliteさんだったようで、もう逃げる間もなく瞬殺(p_; しかし今日のセシは今までと一味違います。やっと使い方の判明したSoulstoneでその場に復活、フフフ。
Soulstone・・・・・・WarlockのSpellで、Soulshardを触媒にしてSoulstoneというItemを作り出すSpell。この石をあらかじめかけておくと、死んだときにその場で復活するか墓場に飛ぶか選ぶことができるナイスなSpell。ただお一人様専用なので、GroupなどではRezができるHealerにかけておくのが普通。Reuse Timeは30Minで石を使ってBuffをかけた時からカウントです。
セシリー「やっぱWlkは人が死んだときに活躍するクラスだよね。ヴォイド君(^^」
ヴォイド君「そこに喜びを見出すのは、人としてどうかと思いますよ。ぼくは・・・・・・」
再び南を目指してひた走るセシ & ヴォイド君。
セシリー「お、なんか明るくなってきた」
ヴォイド君「ちょっと待ってくださいね、今Mapで確認しますから。えっと、ここはStranglethon ValeというジャングルZoneみたいですね」
セシリー「へ~、ここを抜ければきっとKalimdorだね。うん」
ヴォイド君「そうだといいですね~」
ワオ~ン、ウワオ~ン
セシリー「む~、どこかで狼が吠えてるね」
ヴォイド君「あ、マスター。後ろ、後ろ!」
ガブッ、バキャ
セシリー「つ、使いまわしのわんこだ。助けて~、ヴォイド君」
ヴォイド君「了解です。食らえTauntばっちし、Torment!」
Resist
セシリー「いやああああ!」
FearもResistされ、がしがし削られるます。死んじゃう、また死んじゃうよ~セシ。
ヴォイド君「く、こうなったら。マスター、必ず逃げ切ってくださいね。ヴォイド最終奥儀『Sacrifice』!」
Sacrifice・・・・・・Void君、命がけのSpell。使用するとVoid君は消え、わりに30秒間術者が無敵になるバリヤーを張る。その間Spell詠唱や移動も可能。ただ受けきれるダメージはRank毎に決まっているので、完全無敵ではない。うまく使えばSacrifice > Pet召喚で3くらいのMobを裁くことが可能。
セシリー「うう、ヴォイド君。君の死は無駄にしない・・・・・・ってもうバリヤー破られた~(@_@;」
わんこ「ふ、300ダメージ吸収のバリヤーなど、吾の前では無力だワン」
セシリー「だからわんこは嫌いなんだー・・・・・・がくっ」
やはりねこですよ、ねこ!
(後日談:どうやらこのStranglethon ValeはLv30~40のZoneで、Hordeたちも狩りにくるデンジャラスなZoneだったみたい(^^;)
セシリー「ふう、ちょっとこのZoneは歩けそうにないね。ヴォイド君」
ヴォイド君「ええ、どう考えてもぼくら場違いですよ。マスター」
セシリー「うん、ちょっとMap見直してみるね」
セシリー「・・・・・・陸繋がってないじゃん!」
ヴォイド君「ぼくらのこれまでの苦労は一体・・・・・・」
WoWのQuestは最後のほうにクエスト場所や、どのMobからDropするかなど書いてあり非常に分かりやすく。セシもこれまでのQuest自力でこなしてきましたが、さすがに大陸を渡る方法は思いつかず、初めてネット上で調べました。
セシリー「ふむふむ。どうやらドワーフたちの首都Ironforge(以下IF)から山を通り港に行き、そこから船でKalimdor大陸に渡るみたい」
ヴォイド君「マスター・・・・・・思いっきり逆方向じゃないですか!」
セシリー「ふ、人はまっすぐ歩くだけでは、心理にたどり着くことは出来ないんだよ。ヴォイド君」
ヴォイド君「かっこつけてもだめですよ、マスター。今日という今日はですね・・・・・・」
セシリー「まあ、一旦HearthStoneでStormwind帰ろう。ヴォイド君、詠唱開始~」
ヴォイド君「まだ話は終わって・・・・・・」
しゅわわ~ん。
IFとセシたちHumanの町Stormwindは電車が通っていて、お互いの行き来が盛んなのです。Stormwindにはドワーフたちの工房、Gnomeたちの機械施設があるDwarven Distractという区画があり、IFへ電車もここから乗るなり。VCの入り口みたいなところをくぐると2つのプラットフォームがあり、ちゃんとベンチも置いてあります。
セシリー「せっかくだし座って待とうか、ヴォイド君」
ヴォイド君「そうですね。さっきの無駄な旅で疲れましたし・・・・・・」
ガタンゴトン、ガタンゴトン
ヴォイド君「マ、マスター。向こうのホームに電車ついてますよ!」
セシリー「う、急ごうヴォイド君!」
正面には線路があり、向こうのホームにいくには大きく迂回していかなければいけません。
ガタンゴトン、ガタンゴトン
ヴォイド君「はあ、はあ。行っちゃいましたね、マスター」
セシリー「結構出発早いね、JRみたいだ」
ヴォイド君「あ、マスター。今度はさっきのホームに電車が」
セシリー「くう、今度こそ~」
ガタンゴトン、ガタンゴトン
セシリー「もう、こっちで動かずに待ってようか・・・・・・」
ヴォイド君「そうですね・・・・・・」
軽く電車にもてあそばれながら待つこと3分、ようやくセシたちの前に電車がやってきました。
座席もなく、下手をすれば振り落とされそうな車両が3両。
セシリー「と、とにかく乗ってみよう」
ヴォイド君「は、はい」
ガタンゴトン、ガタンゴトン
どうやらこの電車は、地上を通るのではなく地下を通る地下鉄線だったみたいで。
ヴォイド君「マスター、見てください。水族館が!」
セシリー「ええ!?」
なぜか水族館みたいな水槽の中を魚が泳いでるところを通ったりします(^^;
すぐ着くかと思いきや、数分かかりIFに到着。
セシリー「よし、港に向かおう。ヴォイド君」
ヴォイド君「はい、マスター」
Monty「あ、そこいく旅の人。ちょっとこの哀れなGnomeの頼みを聞いてくれないかね」
まるで海賊のCaptainのような帽子を被ったMontyさん。
セシリー「あ、すいません。前世で散々な目に遭わされたので、Gnomeの依頼受け付けない体に」
Monty「おお、そうかやってくれるか!」
セシリー「セシの話聞いてました・・・・・・?」
Monty「じゃ、さっそく説明に入るね」
セシリー「・・・・・・はい」
Monty「君にやってもらいことは、ずばりネズミを捕まえることだ!」
セシリー「すいません、失礼します・・・・・・」
Monty「ああ、待ちたまえ! 待ちたまえよ、セシリー君!」
セシリー「さすがに素手でネズミを捕まえるのはちょっと」
Monty「フフフ、甘いなセシリー君。ちゃんとネズミを捕まえる道具を用意したよ」
セシリー「チーズトラップとか、網とかですか?」
Monty「ちっちっち。そんな原始的な物は使わないよ、私が用意したのはこれだ」
セシリー「これは・・・・・・フルート? ま、まさか」
Monty「そう。この笛の音でネズミを操り私の元に連れてくるのだ。一旦操られたネズミは世界の果てまで、君の後についてくるだろう」
セシリー「このフルートの、ねこヴァージョンはないんですか!?」
Monty「それは全人類の夢だが、残念ながら未だ開発されていないな。まあ、それは置いといてネズミ捕まえてきてくれたまえ。数はそうだな、5匹でいいから」
セシリー「ほいさ~」
個人的に『ハーメルンの笛吹き』の話は大好きなので、のりのりでクエスト受けちゃいました(^^;
Off-HandにRat Cathcer’s Fluteを装備し。
ヴォイド君「マスター、こんな寄り道してていいんですか?」
セシリー「フフフ。ついにセシも笛吹きデビューだね、ヴォイド君」
ヴォイド君「何がそんなにうれしいのか、ぼくにはさっぱりですが・・・・・・」
セシリー「あ、ネズミ見っけ。さあ、セシの後についといで」
ピ~ヒャラ~、ピ~
音色に操られたネズミがちょこちょこセシの後をついてきて、ん~、ラブリー(@_@/
ヴォイド君「マスター、ホントにこんなことしてて・・・・・・」
セシリー「よ~し、どんどんいこう~」
ヴォイド君「・・・・・・」
セシリー「これで体の色が白くて目が赤かったら、アルジャーノンって名づけてあげるのに。ね? ヴォイド君」
ヴォイド君「知りませんよ、そんなの・・・・・・あ、それより5匹になったみたいですし、Montyさんに報告しにいきましょう」
セシリー「そうだね・・・・・・は!?」
ヴォイド君「ん、どうしましたマスター?」
セシリー「もしかして、これって・・・・・・5匹だけじゃなくもっと多くのネズミ操れるんじゃ!?」
ヴォイド君「どうして変なことばっかり思いつくんですか、マスター!」
ピ~ヒャラ~、ピ~
明らかにこのクエストを受けていると思われる低Lvプレイヤーをよそに、駅内のすべてのネズミを集めてみました!(大迷惑
セシリー「ネズミ捕まえてきました~。Montyさん」
Monty「おお、ご苦労セシリー君・・・・・・ってなんか多いよ!?」
セシリー「大丈夫。余ったネズミは、セシが責任を持ってこのフルートで引き連れていきますから」
Monty「ああ、だめだ、だめだ! もう、そのフルート返しなさい。そんなことをしたら私が怒られてしまう」
セシリー「嗚呼、セシの『ハーメルン計画』が(p_;」
残念ながらこのQuest終えてしまうと、フルート返さないといけないみたい・・・・・・。
セシリー「ヴォイド君、お願い。アルジャーノンの墓に花束をあげて・・・・・・しくしく」
ヴォイド君「ほらほら、いつまで落ち込んでいるんですか。早く港に行きましょうよマスター!」
大分わき道にそれてしまいましたね、ここからは一直線に港へ向かおうと思います。
駅からIF内へ入ると、まずは4人のGnomeが笑顔でクエストを進めてきますが無視し進みました :D Roseから聞いた話によると、ここはAlliance Playerの中心地と言える場所で、オークションが盛んに行われているらしい。General Chatは様々な取引、WTB、WTSなどの言葉が飛び交い。さらにLFG、LFMもGeneral Chatで流れているため、ログがあっという間に流れていきます。そして町の中心に近づくにつれ、どんどん重くなってきました(@_@; Auction House(AH)、Bankが向かい合わせにある場所が、最も人口密度が高く。50人は軽くいる感じで重い重い。
何度か画面が止まりながら、走りぬけ少し静かなところにやってきました。
セシリー「これは化石? 一体いつのものなんだろうね、ヴォイド君」
ヴォイド君「さあ? それよりまたわき道にそれていると思うんですが、ぼくは・・・・・・」
セシリー「あ、なんかガイドさんみたいな人いるね。すいませ~ん」
髭がもしゃもしゃのドワーフガイドさん。
ガイドさん「おお、どうされましたか?」
セシリー「この化石っていつ頃のものなんですか?」
ガイドさん「化石の下にあるプレートをご覧ください、そこに詳細が載っていますので」
セシリー「ふむふむ」
ガイドさん「化石の他にも前の戦争で使われた攻城兵器なんかも置いてありますから、ゆっくり見ていってくだされ」
セシリー「あ、ぜひ見学させてもらいますね。ありがとう~」
・・・10分後・・・
セシリー「は! いけないこんなことしてる場合じゃないよ、ヴォイド君!」
ヴォイド君「ぼくは何度か止めたんですけど・・・・・・」
IFの外に出ると、あたり一面雪景色に。
セシリー「寒っ、へそだしルックじゃ凍えちゃうよ。ヴォイド君」
ヴォイド君「吐く息も白いですね~」
雪道を歩くとちゃんと足跡がついたりと芸が細かいですね~。
IF > Dun Morogh(Lv1~15)> Loch Modan(Lv10~20)> Wetland(Lv20~30)と駆け抜け。ようやくWetlandの西にある港Menethil Harborに着きました。
セシリー「はあ、ここまで長かったね。ヴォイド君」
ヴォイド君「ええ、でもここからが本番なんですけどね、実は・・・・・・」
セシリー「船賃ってかかるのかな~」
ヴォイド君「あ、タダで乗れるみたいですよ」
セシリー「お~、よかった」
桟橋が2つありましたが適当に右を選び、船を待ちます。
ゴゴゴゴゴッ
とても大きな帆船がやってきました。さっそく乗り込み船内を歩き回ると、ちゃんと船室があり中にはハンモックまでありました。
セシリー「じゃ、ヴォイド君。船首にいってあれやろうか」
ヴォイド君「え、ホントにやるんですか? 恥ずかしいな~」
こうしてようやく船に乗り、Kalimdor大陸へと向かうセシリーとヴォイド君なのでした。
補足
あれ? これってSuccubus Questの話だったよね? あれ?(^^;
今日のサービスショット
IF近くのGnome騎乗機械売り場、残念ながらこれGnome専用みたい(>_<; Uzukiさんは何色選ぶんだろうかw
次回予告
いよいよKalimdorに着いたセシリー。
セシリー「よし、ここから気を引き締めていこうね。ヴォイド君」
ヴォイド君「緩みっぱなしなのは、マスターだけですよ!」
びくびくしながら道を進むセシ & ヴォイド君の前に現れる2つの影。
???「フフフ、あーっはっはは」
果たしてセシリーは生き残ることができるのか!?
次回「今ので死んだの何回目だっけ? ~セシの屍を拾ってくれ!~」 乞うご期待!
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