第06話 The Dark of Mind
Elwyyn Forestの南西に拡がる農地WestFall。Stormwindの食事情を支える重要な土地である。Guard達はここに塔を築き旅人や農民を見守っているが、広大な土地すべてをカバーできているわけではない。
ノウミーン「とまあ、そうゆうわけでして、今朝起きておらの畑を見てびっくり! 謎のゴーレムが暴れまわっているのです、セシリーさま」
セシリー「へ~、そうなんだ。あ、でも案山子代わりになっていいじゃないですか、あはは」
ノウミーン「全然よくありませんよ! おらたちが畑に入っただけで襲ってくるんですよ。これじゃ仕事になりません」
セシリー「う~ん、ゴーレムたちを躾けて畑仕事代わりにしてもらうとか」
ノウミーン「いや無理ですって、躾ける前にこっちが殺されちゃいますよ! どうかお願いします。あのゴーレムたちを退治してくだせえ。報酬としてRobeあげますから」
セシリー「なに、Robeだって!?・・・・は! いかんいかん。つい前世での習慣が。こほん、いいでしょう。セシが見事退治してみせましょう」
ノウミーン「ありがとうごぜえますだ~」
セシリー「やはり困っている人を放って置く訳にはいかないね、キューズ君」
キューズ君「とゆーかRobeほしいだけでしょ、Robe・・・」
セシリー「あ、暴れてるゴーレムってあれじゃないかなHarvest Watcher。よし、いくよキューズ君!」
キューズ君「でも、あいつLv14みたいですぜ」
Harvest Watcher「ピー、ピー。警告、あなたはSalden’s Farmに許可なく立ち入ろうとしています。5秒以内に立ち去らない場合は、強制退去を実行します」
キューズ君「むう、こいつは益々やばそうですぜあにき。うちらはまだLv10ですし」
セシリー「うりゃ~、Shadow Bolt-!」
キューズ君「は、話聞いてた?」
Harvest Watcher「ピー、ピー。強制退去を実行します。ドカバキ」
セシリー「ぎゃーす、痛い痛すぎる。1撃50dmg Overってありえないよ、キューズ君!」
キューズ君「だから言ったじゃん、止めたじゃん!」
セシリー「だめだ、一時撤退だキューズ君。セシが逃げるまで時間稼いで!」
キューズ君「やあ、ボルドーさんお元気ですか?・・・がくっ」
セシリー「え、うそ。2発で!? ああ、ごめんなさいウォッチャーさん。今、畑出ますから。はい」
Harvest Watcher「ピー、ピー。もう遅いです」
セシリー「む、無洗米って便利ですね・・・がくっ」
Harvest Watcher「ピー、ピー。生命反応0、畑の安全を確認しました」
ノウミーン「だめじゃん・・・」
セシリー「・・・・・・・」
キューズ君「もう、人の話はちゃんと聞いてくださいよ、あにき! Lv4差は無謀に決まってるじゃないですか! まったくRobeに目が眩むとはなんて情けない。あなたは前世で何を学んだんですか!」
セシリー「Robe魂・・・」
キューズ君「そんなもんいらんわー! ああ、もう。今回という今回はホトホトあきれましたよ」
セシリー「そこまで言わなくてもいいじゃん。なにさ自分だって2発で死んじゃったくせに! せめてもう少し耐えてよ、セシが逃げ切るまでさー!」
キューズ君「論理をすり替えないでください。今は戦闘前の判断について話しているんですから! それにあっしはもともとMageタイプですぜ、壁として期待するほうがどうかしてまさぁ!」
セシリー「く、ああ言えばこう言うんだから。いいよもう、マスターに新しい召喚術教えてもらうから。ふん!」
キューズ君「ああ、そうしてくだせえ。あっしももう我慢の限界でさぁ、ふん!」
2人はお互いを罵りあいながらLion’s Pride Innの地下、Warlock初心者Guildへ向かった。
セシリー「マスター。Lv10になったので、もっと従順で頼りがいのあるPet召喚術教えてください」
レメーン「ああ、どこに行ってたんだセシリー。お前をずっと探していたんだ。私の師匠Master Gakinがお前を呼び出してな。今、一体いつまで待たせるのかと催促されたとこだよ」
セシリー「へ~、マスターのマスターがセシなんかに一体何の用でしょうね?」
レメーン「なんでも新しい召喚術を授けるとかなんとか、詳しくはマスターの元で聞いてくれ。ああ、ほら。急いで急いで!」
セシリー「アイサー。あ、マスターのマスターはどこに居るんですか?」
レメーン「Stormwind Cityの『Slaughtered Lamb』という居酒屋の地下だ、急げよ~」
セシリー「ほ~い」
セシリー「なんだろ。Warlockは居酒屋の地下にGuild作る決まりでもあるのかね、キューズ君」
キューズ君「ま~、国王も一応その存在を許しているとはいえ、あまり人目につく所はまずいんじゃないですかねぃ」
セシリー「なるるん。と、ここかな」
セシリー「こんにちわ、貴方がWarlockマスターですか?」
アングス「はあ? 俺のどこがWarlockに見えるってんでい。どう見ても心優しきコックさんだろうが!」
セシリー「いや、どっちかというと一仕事終えてきた連続殺人鬼のような・・・ごにょ、ごにょ」
アングス「ん、何をぶつぶつ言ってる? Warlockギルドならここの地下にあるぜ」
セシリー「あ~、そうか地下でしたね。ありがとう~」
アングス「いいってことよ。今度俺の料理食べに来いよ~」
地下に降りると大きな部屋に出た。真ん中の篝火を囲んで7人のWarlockが立っている。
セシリー「えっと、キューズくん。マスターのマスターは誰だと思う?」
キューズ君「え、ちゃんと名前聞いたじゃないですか。もう忘れちゃったんですかい?」
セシリー「あ~、きっと1番偉そうな人だよね。ハゲてる人、ハゲてる人はと」
キューズ君「あにき、いつかホントに刺されますぜ・・・」
セシリー「あ、あの人じゃないかな。偉そうだし、ハゲてるし」
セシリー「あなたがマスターのマスターですか?」
ダークマスター「む、お主はレメーンの弟子か? なんだそのマスターのマスターってのは。紛らわしいからやめなさい。わしのことはダークマスターと呼ぶがいいぞい」
セシリー「分かりました、ダークマスター。ところでセシに御用と聞きましたが」
ダークマスター「うむ、お主に新しい召喚術を教えてやろうと思っての」
セシリー「ナイスタイミングですね」
ダークマスター「近頃の若いもんは自分の力を過信し、我らの教えを請わず、すぐ新しい土地へ飛び立ってしまうからのう。まさかお主もそのくちじゃあるまいな?」
セシリー「いえいえ、まさか。セシはそんな愚かじゃないです、はい。まだElwynn Forestから出たこともありません」
キューズ君「へ~」
セシリー「しー! キューズ君」
ダークマスター「よろしい。術を教える前に一つ聞くが、セシリーお主は闇の魔術を学ぶことに後悔はないか?」
セシリー「ありません。人の不幸こそセシの喜び、1日1悪がセシのモットーです」
ダークマスター「すばらしい。まるであの娘のようなこと言う」
セシリー「娘さんですか?」
ダークマスター「ああ、わしの実の娘ではないぞ。弟子の一人にSurena Caledonという黒髪の美しい娘がおってな。彼女は、ほれ、ちょうどお主が今たっている場所に立ち、Warlockの魔法とTalentについて学んでおった」
セシリー「へ~、ぜひ一度お会いしてみたいですね。彼女は今どこに」
ダークマスター「・・・うむ、それがのう。あの娘はこともあろうに盗賊団に入ってしまってのう。今では我らの魔術を、窃盗に利用しているんじゃ」
セシリー「もしかして『アーカーバダンナ』ですか」
ダークマスター「そうそう、そんな名前じゃったのう。あの娘の人生はもはや闇に閉ざされた。あの娘とわしの人生が交わる事はもうないだろう。彼女のことはあきらめている。だが、わしがあの娘に送った魔法のチョーカーだけは取り戻したい。そこで」
セシリー「あ~、何か嫌な予感がしてきたよキューズ君」
キューズ君「あにきの占いも悪いことだけは100%当たりましたね」
ダークマスター「そこでセシリー、お主に頼みたい。Brackwell Pumpkin Patchへ赴き、あの娘から魔法のチョーカーを奪い返してきて欲しいのじゃ!」
セシリー「あ、やっぱりですか・・・」
ダークマスター「頼んだぞい!」
Brackwell Pumpkin PatchはTower of Azoraの南にある畑で、一見普通の畑にしか見えないが、その実態は盗賊団『アーカーバダンナ』の数あるアジトのうちの一つである。
セシリー「さて、どうしたもんか」
キューズ君「建物の外からはSurena一人に見えやすけど、中には大勢の盗賊達が居るでしょうね」
ぶひ~。
セシリー「ぶひ~って何かの暗号だっけ? キューズ君」
キューズ君「いや、あっしが言ったんじゃなく、いのししでしょう。おや、見てくだせえあにき。あのいのしし金色に輝いていますぜ。もしかしたら例のPrincessなんじゃ」
セシリー「おお、ホントだ。1匹だけか。よし、やるよキューズ君!」
キューズ君「アイアイサー」
プリンセス「あーれー、何するイノー」
セシリー「黙れ第3話ではよくもセシに恥をかかせてくれたな!」
プリンセス「それはあなたがバカだからよイノー・・・がくっ」
セシリー「よしCallar Braceゲット~。後は報告だけだね、じゃ帰ろうか」
キューズ君「いや、帰っちゃだめでしょ! Surenaからチョーカー取り戻すためにここに来たんでしょうが!」
セシリー「ああ、そうだったね。う~ん、まあ、とりあえずやってみようか」
キューズ君「へい、じゃどんな作戦でいきやす?」
セシリー「Shadow Bolt-!」
キューズ君「あにき・・・反省って言葉知ってますか!?」
スレーナ「暗! む、この魔法はWarlockね。ものどもであえ、であえ~」
セシリー「1、2、3人も!? あとお願いキューズ君!」
キューズ君「こらー、一人で逃げんなー!」
スレーナ「逃がさないわShadow Bolt-!」
セシリー「ぎゃ~、暗い。真っ暗だよママン・・・がくっ」
セシリー「ちょっとソロじゃ無理っぽいね、キューズ君」
キューズ君「できれば戦う前に、そこに気づいて欲しかったですぜ・・・」
セシリー「あ、誰かがPrincessに追われてる」
キューズ君「ま~た、すぐ誤魔化すんだからあにきは」
Daehn「タースーケーテー」
セシリー「待ってて、今助け・・・・あ、死んじゃった」
キューズ君「Princessは、本当は2匹のお供がいたんですねぃ。あにき運がよかったですな」
セシリー「あ、さっきの人戻ってきたよ。あ、どうもさっきは助けられなくてすいません」
Daehn「いやいや、Npだよ」
セシリー「あ、よかったらPrincess退治手伝いましょうか?」
キューズ君「あ、あにきが無償で人の手伝いを!?」
Daehn「お~、ありがとう。ぜひお願い」
セシリー「はい、ついでにあの小屋の中のSurena CaledonってNamedもやってみましょう(^^」
Daehn「お~、いいね」
キューズ君「うわ、汚っ!」
セシリー「無事、ソロでスレーナさんから魔法のチョーカー取り戻してきました。ダークマスター」
ダークマスター「そうか、よくやってくれたな。スレーナは才能溢れる娘だったが、己の力を過信しせっかくの才能を無駄にしてしまった。セシリー、お主は彼女のようになってはいかんぞい」
セシリー「まかせて、まかせて」
ダークマスター「このチョーカーを取り返したことでお主は、少なくともスレーナと同等の力を持つと証明されたわけじゃ。では、新しい召喚術を授けよう」
セシリー「イエ~イ」
ダークマスター「浮かれてはならんぞいセシリー、新しい召喚術で召喚されるのはお主自身じゃ!」
セシリー「分身の術ですね!?」
ダークマスター「あ、いやそういうことではない。正確に言えばお主の影を呼び出すのじゃ」
セシリー「セシの影ですか?」
ダークマスター「そうじゃ、お主にはこれから自分自身の影と対決してもらおう。魔法や武器何使ってもOKじゃ。この部屋のさらに地下へ行くと、魔法陣が描かれた部屋がある。そこでスレーナから奪ったチョーカーを掲げるんじゃ」
セシリー「影を攻撃したらセシ自身も傷ついたりしません?」
ダークマスター「それは大丈夫じゃ。精神体であるお主の影を物質化してるだけじゃからな。いわばそこのインプを呼び出すときと召喚原理は一緒じゃよ」
セシリー「なるるん、分かりました」
その部屋はろうそくの小さな炎でうっすらと照らされていた。真ん中には魔法陣が描かれており光を放っている。
セシリー「よし、いくよ! 我が心の闇、その奥底で眠る暗き魂よ。今こそ我が前に立ち、我を守る盾となれSummon Voidwalker~!」
魔方陣の真ん中から真っ黒い煙が立ちこもり、何かがその中から現れた。
ヴォイド「ああ、掃除したい、洗濯したい! 一日一膳、あなたの心も洗い流しましょう~!」
セシリー「えっと・・・」
ヴォイド「む、お前は諸悪の根源セシリーだな! よし、僕が退治してやる~。ぽかぽか」
セシリー「あんまり痛くないな~。これが新Petって大丈夫なの? まあいい、やるよキューズ君!」
キューズ君「アイアイサー」
ヴォイド「こらこら。初めの召喚儀式なんだからPetの助け借りずに、その身ひとつで戦いなよセシリー!」
セシリー「フフフ、ダークマスターは何使ってもいいって言ってたもんね~」
ヴォイド「卑怯なり~・・・がくっ」
セシリー「我が影ヴォイド君を倒してきました。ダークマスター」
ダークマスター「よくやったぞいセシリー。ふ~む、まさかVoidwalkerを倒してしまうとは。わしが予想していた以上の成果じゃ。もうお主に教えることは何もない、卒業じゃセシリーよ」
セシリー「えっと、セシまだLv10なのにもう教えることないんですか?」
ダークマスター「ああ、わしの教えることはな。じゃが、お前はこれからも修行を積み、新たなるダークマスターを探しだして教えを請うのじゃ。さらばじゃセシリー、暗黒のフォースがお主と共にあらんことを」
セシリー「さようなら、ダークマスター」
そしてセシリーにはもう一つの別れが待っていた。
セシリー「お別れだね、キューズ君」
キューズ君「ええ、とっても嬉しいです。あにき!」
セシリー「・・・・・・・・・・」
キューズ君「ま~、ヴォイドだけじゃなく、たまにはあっしのことも呼んでくだせえ」
セシリー「うん、その時はまたよろしくね」
キューズ君「アイアイサー」
キューズ君は大きく手を振ると、呪文を唱え闇の世界へと帰っていった。
セシリー「さてと、じゃあ行きますかヴォイド君」
ヴォイド君「はい、マイマスター」
こうして新たなる力を手に入れSaldean’s Farmの平和を取り戻すべく、旅立つセシリーなのでした。
補足
今日のサービスショット
セクシー系Pet、サキュパスさん。は、早く召喚したいです(>_<;
次回予告
早くも暴走気味の日記『World of Ceciry』
その暴走を止めるべく、セシリーは解説者モードへとチェンジするのだった!
セシリー「次回は真面目に分かりやすく解説します!・・・・多分」
次回「解説者セシリー~あ、この文字なんて読むんですかディレクター~」 乞うご期待!
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