第19話 憎しみの連鎖~オークSIDE~(後編)

EverQuest2

Hell Tower襲撃から3日がたった。
あの惨劇を見た後アリークは気絶し、Hell Towerにある1室のベットに寝かされていた。いまだ目を覚まさない彼の横にTaug将軍が立っている。
Taug将軍「アリーク・・・」
Taugは心配そうな顔でつぶやく。と、いきなりドアが開き秘書官のトエリーが入ってきた。
トエリー秘書官「こちらにおいででしたか将軍」
Taug将軍「何だ、トエリー?」
トエリー秘書官「は、本部に申請していた補充兵がようやく今日の夕方頃につくとのことです」
Taug将軍「そうか、それまではお前と私だけでここを守らねばならないのか」
トエリー秘書官「やつ、セシリーが来ると?」
Taug将軍「ああ、やつは必ず今日来る。なぜならやつのRobeは今夜、本部に送ることになっている。おそらく補充兵が来る前に決着をつけに来るはずだ」
トエリー秘書官「そうですか。将軍、アリークはいかがいたしましょう」
Taug将軍「この隠し部屋の中なら安全だろう。今は眠りから覚めないのが却って幸いしたな」
トエリー秘書官「起きていたら真っ先にセシリーに向かっていったでしょうからな」
Taug将軍「そういうことだ」
トエリー秘書官「では、私は塔の周辺を見回ってきます」
Taug将軍「うむ、私はここに残る。気をつけろよ」

秘書官は塔の外に出て辺りを見回しながら考えた。
トエリー秘書官「襲撃時の報告によるとセシ一行は6人か。果たして守りきることが出来るだろうか・・」
セシリー「無理だろうね」
トエリー秘書官「!?」
突然背後からかけられた声に驚き、慌てて振り向いた。
トエリー秘書官「貴様、いつの間に!」
セシリー「Encには特殊な呪文があってね。短距離だが空間を飛び越えることが出来るのさ」
いかん、将軍に知らせねば! トエリーは叫ぼうとするが声が出ない。
セシリー「そして相手の声を封じる呪文もある」
!?
前方からセシリーの仲間と思しき5人の冒険者が歩いてくる。トエリーは走って逃げ出そうとしたがその足に草がからみつく。5人中の1人が何か呪文を唱えていた。
セシリー「ああ、助かったよThalem。どう驚いたかい秘書官殿? 彼は自然を操れるのさ、今は君の足元の草を成長させ足を縛ったというわけだね」
声も出せず、逃げ出すことも出来ない。トエリーは絶望した。
セシリー「うーん、いいねその表情。いつまでも見ていたいけどそろそろ将軍が感づく頃だろう。お別れだ、何か言い残すことはあるかい? おっと喋れないんだったね。フフフ、さようなら秘書官殿」
しょ、将軍・・・
セシリー「オークストライク!」
トエリーの体が白い炎に包まれる。炎は外側から徐々に内側に収縮していきやがて消えた。

Taug将軍「何か言ったかトエリー?」
Taug将軍が窓の外を見ると白い炎が上がっている。
Taug将軍「しまった!」

Taug将軍が塔の外に出ると、セシリーが白い灰を掌でもてあそんでいる姿が目に入った。
Taug将軍「やはり生きていたのか、セシリー。トエリーはどこだ?」
セシリー「トエリー? ああ、あの秘書官殿か。彼ならここに居るよ」
Taug将軍が辺りを見渡すが彼の姿は見えない。セシリーの掌の白い灰を凝視する。
Taug将軍「まさか!?」
セシリー「そう、この灰が彼さ。とてもきれいだろ? フフフ」
セシリーがフーと息を吹きかけると白い灰が空中に舞う。
Taug将軍「貴様ー!!」

Taug将軍は剣を抜き、セシリーに切りかかろうとするが足が動かない。
!?
足元を見ると草が足に絡み付いていた。それだけではない、いつの間にか彼は5人の冒険者に囲まれている。
セシリー「かかった! 今だ、みんな!」
Thalem「Frozen Manacles!」
氷の槍が次々にTaugの体に突き刺さり、
Digger「Admonishing Smite!」
赤い光がTaugを包み、
Deshwitae「Chill!」
Taugの体が凍りつく。が、
Taug将軍「うおおおおおおおお!」
Taugは無理やり草を引きちぎりセシリーに突進していく。その前に2人のCrusaderが立ちはだかる。
Warger「Inflame!」
Akilra「Faithful Swing!」
Taug将軍「ぐう」
2人から同時に攻撃を受け、よろめきながらもWargerに向かって反撃する。
Taug将軍「Wild Swing!」
Wargerの体が吹き飛ぶ 致命傷だ。
Diggle「Radiance!」
Deshwiat「Effloresce!」
2人のHealerから青い光が飛びWargerの傷を瞬時に完治させてしまった。

再び戦列に戻ったWarger、Akilraと斬り合う。
その間にもThalemの攻撃呪文が次々に飛んできて、Taug将軍は徐々に体力を奪われていった。
Taug将軍「いかん、このままでは」
TaugはバックステップしWargerとAkilraとの距離を取る。そこに
セシリー&Thalem「Orc Master’s Strike!」
Taugの体に2つの白い炎が飛び、混ざり合って一つの火柱になる。炎が消え去った時Taugはまだ立っていたが
Akilra「Rigteouth Blow!」
Akilraの剣がTaugの体を貫く
Taug将軍「ぐふ・・・」
Taugの体から力が抜けていき、草原に横たわった。

セシリーは瀕死のTaugを冷たく見下ろし問うた。
セシリー「さて、将軍。君のキーワードを教えてもらおうか」
Taug将軍「な、何? 貴様の狙いはRobeを取り戻すことではなかったのか?」
セシリー「フフフ、それは口実。狙いは初めからBloodskull Valleyへのキーワードの入手さ」
Taug将軍「ははは、まんまと騙されたいうわけか。しかし、私がキーワードを言うと思うか?」
セシリー「言うさ。これを見ればね!」
セシリーが指差す方向を見るとAkilraが眠るアリークを抱きかかえていた。
Taug将軍「き、きさま!」
セシリー「フフフ さあ、どうする将軍。この子を助けたければ・・・分かるね?」
Taug将軍「く・・・・」
Taug将軍「私のキーワードは『闇の中の夜』だ・・・」
セシリー「ははは、やったぞついに聞き出した!」

Taug将軍「あの子は、アリークだけは助けてくれ」
セシリー「分かっていますよ。ゆっくりおやすみください将軍。フフフ」
セシリーが指を鳴らすとTaug将軍の体が炎に包まれ白い灰になった。

XXX「おめでとうございます、セシリー様」
セシリー「ああ、よくやってくれたアリーク。いやアリーナ。君のおかげで厄介な秘書官とTaugを分断できたし、キーワードも聞き出せた」
アリーナ「奴等、すっかり私を信用していました」
セシリー「君の演技を見抜ける者は居ないさ。で、ラナンに関する情報は?」
アリーナ「はい、詳しくは分かりませんでしたが。どうやらBloodskull Valleyに向かった模様です」
セシリー「やはりか、フフフ。逃がさないよラナン君」
アリーナ「うれしそうですね。セシリー様」
セシリー「そりゃそうさ、前回は完全に彼にしてやられた。借りはしっかり返さないとね。ところでいつまでその姿でいるつもりだい?」
アリーナ「おっと、うっかりしてましたわ」
アリークが何か呟くと彼の体が光に包まれ体の形が変わっていく。光が消えたときにはオークの姿はどこにも無く、美しいダークエルフの女性が立っていた。
セシリー「さて、残るキーワードは3つ。行こうかアリーナ」
アリーナ「はい、セシリー様」

2人のダークエルフと5人の冒険者達が歩いていく。彼らの後ろで白い灰が中に舞い、太陽の光をきらきらと反射させていた。
おしまい

次回からは通常の日記が再開されます、多分(^^;


Played in 2004/11/29

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